相談員FPブログ
良かれと思って家族名義の口座にお金を移す場合のリスク
口座名義人が異なる預金のことを、
「名義預金」といいます。
妻や子、孫のために良かれと思って
毎年110万円の贈与税非課税の範囲内で
祖父が各人の名義口座に入金を重ね、
すでに数千万の預金になっています。
贈与税非課税の範囲内であるため
特に問題はないと判断される方は少なくありません。
しかし、
妻や子、孫を思う
祖父の優しい気持ちが
ひしひしと伝わってくるのですが
贈与の事実が認められない限り
実質的には相続財産とされて
相続税が課されます。
名義預金は、「相続税の申告漏れ」として
税務調査の対象になる可能性が極めて高いのです。
被相続人と相続人の口座照会は
税務署権限で可能になるため、
重点的に調査が行われると考えてください。
次のような場合は注意が必要です
・専業主婦の妻名義の口座に夫が稼いだお金が貯まっている
・認知症の診断確定以降の入金(贈与は認められない)
・通帳・キャッシュカード・印鑑を渡されていない(管理処分権限が移ってない)
・出金履歴が無い
・親権者である親の管理下で通帳などを預かっている場合は、18歳(2022年3月末までは20歳)以降は本人に渡す
・口座名義人が預貯金の存在を知らない(受贈の自覚がない)
・贈与契約書がない(贈与の都度、贈与契約書を交わして銀行振込をすると正当な証拠になる)
・同一の印鑑で口座を開設している(使い回しを疑われる)
・定期の満期手続き等を亡くなった人が行っていた
名義預金は、そもそも贈与ではないため
当然ではありますが、贈与税の時効は成立しません。
名義預金の申告漏れを指摘された場合、
悪質であれば、重加算税の対象になりますので
注意しましょう。
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