相談員FPブログ

相続 東京・竹橋

特別寄与料

夫の親を長年介護してきました。
先日、その親が亡くなりましたが、夫の方が先に亡くなっています。

この妻は、夫の親の相続財産をもらうことはできないのでしょうか。

以前の制度では、このようなケースでは妻に請求権がなく、
長年の苦労が報われないことが問題でした。

2019年7月より「特別寄与料制度」が施行され、
妻にも請求する権利が法律的に認められるようになりました。

特別寄与料制度とは、
被相続人の療養看護などを「相続人以外の親族」が無償でおこなった場合に、
その親族が相続人に対して金銭の請求をできる制度です。

ただし、この特別寄与料を認めてもらうには満たすべき要件があり、
少し高めのハードルになっています。


◆特別寄与料が認められるケース(以下の全てを満たす必要あり)
・介護に費用をかけず、夫の親の財産を減らさなかった
 (介護保険サービスなどをほとんど利用せず在宅介護を行った)
・いつでも介護に応じられる環境だった(同居など)
・夫の親から報酬を受けなかった
・最低1年以上介護を行った


◆特別寄与料の計算方法(一般的な計算方法)
請求額=介護日数×介護報酬相当額×裁量割合
・介護日数:介護サービスを受けた期間や施設入所期間、入院期間は原則除く
・介護報酬相当額:介護保険制度で要介護度に応じて定められている介護報酬基準額による
 (概ね1日5000円~8000円程度)
・裁量割合:親族には扶養義務があり介護等の専門家ではないことから
 費用を控えめに計算するためのもので、0.5~0.9を乗じる

◆請求の方法
相続人の間で遺産分割協議が始まったタイミングで相続人に請求します。
相続人が請求に応じてくれない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
請求の期限は、相続開始から6か月以内です。

尚、特別寄与料は認定要件や計算方法も複雑であるので、
利用に際しては、弁護士などの専門家へのご相談をおすすめします。



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